2016年7月31日日曜日

【基礎ゼミ紹介】「フィクションで正義を考える」 ~少年漫画をもとに価値観を議論~

 高度教養教育・学生支援機構所属の山内保典准教授が担当する基礎ゼミ「フィクションで正義を考える」は、フィクション作品に描かれた事例を題材に、正義のあり方について学ぶ。学生同士の議論を通して自身の価値観について考えを深めていく講義だ。



 なんだかとても難解で、限られた人達にしかついて行けない授業のようだが、そのようなことはない。実は、この授業で扱うフィクション作品とはなんと、尾田栄一郎氏による少年漫画の『ONE PIECE』(集英社)なのである。扱うテーマは罪人解放の是非、嘘や盗みの善悪、技術を生み出す責任、知識や情報の功罪など様々な分野にわたる。

 ここで、授業の流れを説明しよう。各テーマは2回の授業にわたって扱われる。各テーマの最初の授業で題材となる場面の情報提供を受け、適宜メモを取り自分の考えを整理する。そして、いくつかのグループに分かれて議論する。文系理系問わず様々な学部の学生がこの授業を受けているので、議論を通して多様な価値観や考え方に触れることができる。その後、自分の考えをレポートにまとめて提出する。次の授業では扱っている題材と似た構造の現代の問題について、各自がテーマを持ち寄って議論していく。

 「興味はあるけど、『ONE PIECE』を全然知らないから授業についていけないかも……」といった心配は全くもって無用である。筆者は『ONE PIECE』という作品名を聞いたことがあったくらいで、内容についての知識はほぼゼロだった。しかし、授業を受ける上で必要な知識は先生が授業の中で提供してくれたので大きな不都合なく授業を受けられている。

 皆さんも入学したら、所属学部や得意分野にとらわれずに基礎ゼミを選択してみると良いだろう。自分の知らない分野の授業では、新しい発見がたくさんあるはずだ。

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