2016年7月29日金曜日

【教員インタビュー】大学院情報科学研究科 河村和徳准教授

 大学では一つの分野に対して、様々なアプローチ方法で研究を行う。情報科学研究科で政治学を研究する河村和徳准教授に話を伺った。




―専門は何ですか

 政治学です。データ収集による分析や現地の調査により日本の地方政治を研究しているため、情報研究科に属しています。東北の被災地の住民意識や、それが選挙にどう影響しているかという投票行動も現在の研究対象です。

―授業では何を教えていますか

 学部の1年生向けに日本の政治についての一般教養科目を開講しています。また、今年度の基礎ゼミでは受講生を選挙のインターンシップに行かせました。最近の学生は政治の仕組みについての知識は持っていますが、今動いている政治を遠く感じています。地域との結びつきが減った現代では、異なる世代と話す機会が少ないからです。私の授業では、学生の知識と実践の場をつなぐことを大きな目的としています。

―高校時代はどのような学生でしたか

 私はサッカー部に所属しており、朝6時半に家を出て21時に帰宅する日々を送っていました。勉強よりも部活に力を注いでいましたね。

―現職に就くまでの経緯を教えてください

 サッカーに打ち込みましたが、全国大会には出られませんでした。出身大学は慶応義塾大学で、法学部に指定校推薦で入学しました。大学1年生の時に実験心理学の授業を受け、政治をデータで分析できないかなと思ったことが、研究者を目指したきっかけです。大学院も慶應で学び、母校の講師を一年経験した後、金沢大学の助教授となりました。その後、東北大学に移ってきました。

 東北大学で働くようになったある日、海外のマスコミから取材がありました。なぜ都心の大学の先生に取材しないのかと理由を聞くと、有力な政治家の地元での活動を知っているのは先生しかいないから、とのことでした。「そういう見方もあるのか」と発見がありましたね。研究室にこもって研究することも重要ですが、現場を知ることや他人と違う視点を持つことも重要なんですね。

―高校生へメッセージをお願いします

 大学は一つの選択肢に過ぎませんし、大学ごとに得意分野は異なります。入学後に研究したい分野がどの大学で発展しているかをしっかりと考えて選択することが大事です。

 また、人にもそれぞれに得意、不得意があり、やりたいこととできることは違います。やりたいことを追求することだけではなく、自分が必要とされる場所を築くという視点も大事です。

 24時間は平等です。何事もやるなら徹底的に、目標に向けて頑張ってください。

0 件のコメント:

コメントを投稿