2016年7月31日日曜日

【基礎ゼミ紹介】「地震・火山・地球を診る」 ~授業で知る地震観測の楽しさ~

 全学教育の一環として、学生の「学び」を「受験中心型」から「大学での学び」へ転換させるために「基礎ゼミ」が開講される。約150のテーマが提供されており、学生はその中から希望するものを一つ選択する。今回はそのうちのいくつかを紹介する。




 2011年3月に発生した東日本大震災以降、地震への関心はますます高まってきている。オープンキャンパスでは地震を専門にした研究室への訪問を考えている方もいるだろう。紹介する基礎ゼミは、地震波を自分たちで観測して、その観測結果から震源を決定する「地震・火山・地球を診る」だ。

 この基礎ゼミでは、地震観測機の設置、地震波データの収集・解析、震源の決定を班ごとに行う。理学部地球科学系を始めとして、歯学部や医学部など、学部学科問わずに多くの学生が受講している。地震を研究している理学部地球物理学科の学生でもあまり行わないような活動を、その分野に興味のある人たちとともに取り組めるのが最大の魅力だ。

 講座の始めに地震観測器の準備をし、5月の上旬ごろに泊りがけで設置を行う。そのまま1か月ほど設置した後に観測機を回収し、記録された地震波データを収集する。そのデータを用いて、初期微動継続時間と震源距離の関係から震源を決定し、得られた成果を7月中旬ごろに発表する。

 受講してみると、GPS(全地球測位システム)がカラスにつつかれて壊れるアクシデントや、ある地震の解析で震源が海中であるという結果になるなど、実際に観測しなければわからないことを経験できた。座って授業を聞くだけが大学の授業ではないということがよくわかる基礎ゼミだ。

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